まだまだ天候不順が続いている。
おかげで野菜が高くて仕方ない。キャベツが250円もするなんて、東京だけのことだとばかり思っていた。
でも、こんな山口の片田舎でもやっぱりそれくらいする、どうも流通の問題ばかりでもなさそうだ、しばらくは比較的安い葉物を探して乗り切るほかはあるまい。
でも、天候不順のおかげでよかったことが一つだけある。もうとっくに散ってしまっているはずの花たちが一ヶ月経った今でもまだその痕跡を残していることである。桜吹雪を見ると心がなごむ、ついひらひらと舞っている花びらを手に取ってみたくなる。
寒いとは言え、もう春である。
五月になれば、夏の声も聞こえてくるはずだ。
花たちは、この時期駆け足で饗宴を続ける。
この地域には小さなアヤメが咲く。
せいぜい高さ15㎝、直径5㎝ほどのミニサイズのアヤメ
だ。
基本的にカタチは普通のアヤメと変わらない、ゴージャスさはないけれど、小さいなりの美しさがある。
出来うるならば、机の上に飾っておきたいほどの可憐さだ。箱入り娘にして、猫可愛がりにしたい。
しかし、この花、南限のエヒメアヤメは天然記念物、立派なレッドデータブックの住人だ、手にとることはモチロン、持って帰ることなどもってのほかなのだ。
別名・誰故草(ホントはこちらが正式の和名らしい)、誰ゆえに、こんなに目立たない場所で、目立たない姿で、可憐な花を咲かせるのか? というところから名付けられた名前らしい。誰ゆえに・・・って、見る人がすべて自分の為にと思っていればいいのではないのか?自分の為に咲かせてくれているのだから、それゆえに大切にしなければならない、と思って見るのが一番いいことなのだろう、とワタシは勝手に思う。
もうすぐ、この花は花期を終えて、群生地の公開も終りになってしまうが、この後を追うようにツツジの仲間が花をつける。
ミツバツツジの淡い紫色が目にやさしい時期だ。
栽培されたシャクナゲも花をつけだす。
高い山に生える、野生のシャクナゲはまだ少しあとだが、一足先に目を楽しませてくれる、大好きな花だ。
ツツジとバラは被子植物の木の花としては二大勢力、極小なものから、かなり巨大なものまでたくさんある。ツツジは大木になるものは日本にはないようで、潅木ばかりだが、バラなら、大木がたくさんある。代表格は桜かしら・・・
ちなみに、高山植物のコケモモなどはツツジの仲間だが、高さ3㎝ほどしかないし、バラ科のチングルマは10㎝くらいで一見草にしか見えないが、立派な木なので、秋になると紅葉する。ストロベリー、すなわち苺もバラ科なので実は立派な木である。草に生えるのでないから、苺は果物である(反してメロンは草になるのだから、野菜である)
ああ・・・話がそれた。
とにかく、ワタシはシャクナゲが好き。
山で見たシャクナゲに悪いイメージはない。どの場合もインパクト強く、ワタシを和ませてくれた記憶がある。
山登りのハァハァ、ゼイゼイの息の中で、目を楽しませてくれるためには、それなりのインパクトがないとダメなのだ。
この土地には、梅の天神様、シャクナゲの八幡様があるが、このシャクナゲは八幡様のものである。
梅の天神様はこれから実をつけ、立派な梅干になるらしい。ワタシ的には梅干より、梅酒の方が好みである。
この部屋は暑くて、梅酒をつけるには向いていないのだが、そのうち涼しい部屋に移ったら、つけてみようと思う。
この土地の四季のことを思い出しながら・・・
[2回]
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